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         文/岡田百合香 イラスト/茂原敬子

※この記事はyenishiが作者である岡田百合香さんに企画依頼し、承諾を得て公開しています。無断での転用・転載はご遠慮願います。適切な目的でのご利用希望の際はこちらにお問い合わせ下さい。

 

 

 


 

 

 

 

 




 

 


 

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今回の主人公は、武藤さゆりさんです。

彼女は、年齢30歳!独身。大卒で新入社員から入社してはや8年目に突入です。仕事はテキパキこなせて、さらに面倒見が良くて優しい。上司からもお気に入りの女性です。
ただ、彼女としては、そろそろ結婚もしたいな~と思案中です。
そうはいっても、仕事の責任は重くなるし、後輩は沢山入社してくるし、まあ仕事は楽しいし、給料もいいし、旅行も行けて、やりがいのある楽しい環境なので、ついつい婚活のことを忘れてしまっています。

さて、本日は4月1日の入社式。
元気な若者が20名も入社してきます。

(若いっていいな~。私も8年前は、あんな風に初々しかったかも。。。
皆かわいいわね!あら、あの子も)  と、めぐみさんを見ています。

すると、一徹部長が「さゆり君、あの可愛い新人は、私たちの部署だよ。あとね、あの後にいる、落ち着きのない、皆と話している男子もうちの部署だ。よろしく頼むね」

「はい、部長かしこまりました!!任せて下さいね」

(まあ、あの素直そうな女子と一緒なので良かったわ。でも、元気な彼は大丈夫かしら。でも楽しみだわ)

新人研修も終わり、いよいよ部署に配属されてきました。
新人2名は元気よく挨拶です。

岡本夢夫君と伊藤めぐみさん。

「おはようございます。武藤さゆりと言います。私は総務部からこちらの営業3課へきました。ここで4年目で す。仕事は営業事務。営業の方々のサポートをします。だから細かいこともチェックして、気配りや気遣いも大切な要素となります。夢夫君は元気があっていいですね。頑張ってくださいね。めぐみさん、一緒にサポート頑張りましょうね。 よろしくお願いします」
「よろしくお願いします! 」と二人は元気にあいさつ。

(2人ともいい新人だわ。これから頑張って教えなくちゃ!)

「さゆりさんと夢夫君、少し社内を案内するからいいかしら」
「はい」

社内の全体を案内しながら、二人を観察です。

3日間の新人研修がしっかりと身についているかを、他の方との接し方でチェック!

(2人とも、マナーもできているわね。いいわ。でも、夢夫君は敬語が上手に使えないわね。後で、教えてあげなくちゃ。めぐみさんは、笑顔はもう少し元気がいいわね。まだ遠慮しているのかしら。これから期待しましょう

面倒見が良いさゆりさんですが、度を越して、ついつい相手の細かいところまでチェックしてしまいます。

(お辞儀の仕方が悪いわね~。夢夫君、頭だけ下げてたらダメよ!! あっ、私ったら、またチェックしちゃってるわ。。。)

さて、社内を周り戻ってきたので、それぞれのデスクに必要な書類を渡します。

「めぐみさんは、ここが席よ。夢夫君は涼太課長の隣ね。涼太課長!岡本夢夫君、よろしくお願いします」

「夢夫君、先ほども挨拶したけど、課長の鈴木涼太です。これから私と一緒に営業だ。よろしく!」

「はい、涼太課長よろしくお願いします」

「では涼太課長、よろしくお願いします。じゃ、めぐみさんこれから色々と説明するからいいかしら」
「はい、さゆり先輩、よろしくお願いします」

新人の世話をしながら、忙しい毎日です。

「はい、オッケー商事の武藤でございます。いつも大変お世話になっております」
「はい、畏まりました。課長の鈴木に伝えます。いつも有難うございます。よろしくお願いします」
「はい、その件ですね。部長の織田に変わりますので、少々お待ち下さいませ」

またこんなことも。
(あっ、一徹部長が合図しているわ。外出にしておけばいいのよね)
「はい、あいにく部長の織田は只今、外出しております。ご用件をお伺いいたします」
「さゆり君、ありがとう。すぐ分かるから頼りになるな」と一徹部長は満足顔です。

こんな感じで、さゆりさんの電話応対はパーフェクト!!です。
 

「さゆり君、あのデータはできたかね?」と一徹部長。
「部長、はい今データをチェックしている最中ですので、あと30分お待ちいただけますか」
「おっ、頼んだぞ」

「さゆりさん、急に申し訳ないんだけど、A社の見積もりを明日できるかな。明日持っていくことになったんだ」と涼太課長。
「はい、今この仕事終わらせてから取り掛かりますね。16時には取り掛かれます。もう1度詳細メモしてもらえますか」
「はい、了解!」

「夢夫君、この書類はね、これでは他の人が見づらいでしょ。これはこうやって作成するといいのよ」
「あ~、本当ですね。そうやれば見やすい!!さすが、さゆり先輩ですね。」と夢夫君。
「まったく、夢夫君は調子はいいんだから」と笑顔のさゆりさん。


 

「そうそう、夢夫君、他の課の先輩社員と話をするとき、もう少し敬語に気を付けましょうね。ちょっといい? これ言い方。読んで覚えておいてね」
「わ~い!!これ覚えやすいですね。さゆり先輩、やさしいですね」これまた調子の良い夢夫君。

(やれやれ。。。)

「めぐみさん、このデータ入力は違うわよ。いい?一緒に覚えましょうね」
「さゆり先輩、申し訳ありません!!またミスしちゃいました」とさゆりさん。
「いいわよ。これからしっかり覚えてね。また部長に怒鳴られると困るから」
「はい、部長って怖いんですよね。。。。」
「仕事をしっかりやれば、怖くないの!さて、やるわよ」と優しくフォロー。

(めぐみさん、早く覚えてね~)

 

とにかく、自分の仕事と相手のサポート力は完璧です。


でも、いつもこうやって、サポートするので、皆がさゆりさんを頼りにしてしまいます。
頼りにされるのは、さゆりさんにとっては、とても嬉しいこと。
認められて、仕事にもやりがいが生まれます。
 

「さゆり君有難う」
「さゆりさん、助かってます」
「さゆり先輩、優しい!!」

(大変だけど、こうやって認められると、やりがい感じるのよね。やっぱり私がやらなきゃね)


時々、世話を焼きすぎて自分で疲れてしまうこともあります。
これでは忙しくて、婚活どころではないですね。

(あ~あ、毎日充実はしているけど、このままでいいのかな~)


 

さて、新人2名も仕事に慣れてきました。
3ヶ月後、めぐみさんが相変わらず、部長に言われてオロオロしています。


「めぐみさん、聞いての通り、あと1時間以内に書類を作成しないとならないわね。大変だから、私がやるわね。めぐみさんは、他のこの表計算しておいてほしいの。書類どこまでできた?」
「ありがとうございます。まだここまでしか出来ていないんです。すみません・・・」とめぐみさん。・
「いいわ、私が全部やるから大丈夫よ」

 

 

 

(あ~あ、やっぱり私がいなきゃダメなのよね)

こうやって、仕事をやってあげてしまうので、めぐみさんは、やっぱり頼ってしまいます。

人の面倒を見過ぎるのは、相手ができる能力を奪ってしまうので、これではさゆりさんの優しさが、かえってめぐみさんの成長を遅くしてしまっている可能性もありなんです。

 

ある日のランチタイム~

今日は久しぶりに、めぐみさんと夢夫君と一緒です。

「さゆり先輩!!ここ美味しんですよ。涼太課長と前に来たんですよ」
「まあ、そうなの。私はいつもお弁当だから、久しぶりの外でのランチよ」
「さゆり先輩、私イタリアン大好きなんです」
「ねえ、めぐみさん、仕事はどう?慣れた」
「はい、まだまだです。部長は怖いし、私のこと嫌いなのかな・・」
「めぐみさん、そんなことないよ。一徹部長はああ見えて、部下想いだよ」
「まあ、夢夫君、何かほめられたのかな」
「そんなんじゃないんですけど・・これって涼太課長の受け売りです」
「な~んだ」とさゆりさんとめぐみさんは、にっこり。
「涼太課長はかっこいいですよね」
「夢夫君も見習って、頑張りましょうね」
「涼太課長、、かっこいい~」とめぐみさん
「まあ、めぐみさん、涼太課長のファンなのかしら」
「フフフ」

相変わらず、優しく穏やかなさゆりさん。

 

めぐみさんのトイレダッシュと、夢夫君のうっかりミスのフォローをしながら12月を迎えました。

ある日のこと、一徹部長から話があると会議室へ呼ばれました。
「さゆり君、来年6月から、営業課から広告宣伝課へという役員からの話があるんだが、どうかね」
「えっ!!異動ですか」
「いやまだ決定じゃないから。先にさゆり君の耳に入れておこうと思ってね。私はさゆり君に異動してほしくないんだが、広告宣伝課は、さらにやりがいのある課だからね」
「そうですね。まだよく分かりません。新人の世話も慣れてきたところで、営業サポートの仕事は楽しいですし」
と困った顔のさゆりさん。

さゆりさんは、人のことは良く分かるのですが、いざ自分のこととなると、どうしようか迷ってしまうこともしばしば。
(どうしようかな~。悪い話じゃないけど、また忙しくなってしまうかしら・・これじゃ婚活もできないし。そろそろ、自分の時間を作ろうと思っていたから、う~ん・・・・うれしいような・・・)

 

そんな悩みを抱えながら、年も明け3月です。

またもや、めぐみさんが一徹部長に怒鳴られています!!
「また間違ったのか」
そんな最中に夢夫君が外出先から戻ってきました。
「あっ!このデータ!これ僕が作成した違う会社のデータです!申し訳ありません。僕のミスです」

夢夫君はアタフタしてデータを探しています。

涼太課長は、冷静にパソコンを叩きながら、データを調べています。

めぐみさんは、トイレダッシュ!!

一徹部長は、腹が立ってどこかへ行ってしまいました。

 

さて、さゆりさんは、そんな状況を見ながら、仕方がないので、めぐみさんを追いかけてトイレへ。

(あ~あ、やっぱり、異動を受けようかな。こんなに世話ばかり焼いているのも疲れちゃったわ。これからは、少し自分のこと考えることにするわ)


「めぐみさ~ん、大丈夫よ!!」
「さゆりせんぱーい。あ~ん(泣)」
「ほら、仕事戻りましょう」


(あ~あ、疲れた・・・でも、私がいなきゃダメなのよね)


さてさて、優しいさゆりさんも、仕事が忙しいのに加えて、こんな状況に疲れてきました。
そうはいっても、新人を放っておくわけにもいかず。
これからどうなることやら。



さゆりさんのような、優しくて、世話好きな方いますよね。とっても助かるし頼れる存在ですね。
でも、本人は少しお疲れもモードになることもあります。
人にばかり愛情与えていないで、自分にもたまにはやさしくしないとね。
あなた?それともあなたの周りにいませんか?

 

さゆりさん・・・

プロローグの2にチェックが多かった方は、さゆりさんタイプかもしれませんね。

では、次回は一徹ワールドです。
お楽しみに~。

 

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