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6月の初旬は夏を思わせる陽気で、じりじりと照りつける太陽の光をうらめしく思っていたのに、中旬以降は見事なまでの梅雨っぷり。梅雨入り前は、突然訪れた強烈な暑さにげんなりしていたけれども、夜風がすっと吹き抜ける。夜風に吹かれながらの散歩は仕事帰りの疲れた体にはとっても心地よくて快適だったのに、雨と湿気のおかげで散歩するのもままならない。

せめて、食事だけでも夜風のように心地よくなれるものが食べたいなぁなんて考えながら、いつものお店「まごわやさしい」へ。

 

田町の「まごわやさしい」とは?

今回のコースメニューは、

・エリンギと茄子のだし浸し
・甘唐辛子の昆布和え
・枝付き焼き枝豆 削り岩塩がけ
・蓮芋の甘酢漬け
・煮豚と夏野菜のにんにくディップソース
・鮎飯
・黒ゴマパウンドケーキ

の計7品。

なんというか、見事に心の中を見透かされたかのようなメニューだ(笑)。エリンギと茄子のだし浸しから4品目までさっぱりとしたメニューが続く。あえて、トップバッターに一番さっぱりしそうな甘酢漬けを持ってこないのがおもしろい。だし浸しで湿気を払いつつも優しく出迎えてくれるコースがはじまった。続く甘唐辛子の昆布和えは、昆布の甘さとあとからやってくる唐辛子の清涼感がやみつきになりそうで、家庭の常備菜にもぴったりな一品。そして、「暑いときはこれだよね」の枝豆。少し固めにゆでられた枝豆は表面が炙ってあるせいか、香ばしさが増していていつもより食欲をそそられる。

ここで、一番のさっぱりメニュー「蓮芋の甘酢漬け」が登場。同じく一緒に漬けられたミョウガと一緒に食べると口の中を洗うかのごとくさわやかさ。

体にまとわりついていた不快さも、いつの間にやらきれいさっぱり。食い気も出てきたなと思っていたところに、煮豚と夏野菜のにんにくディップソース。ヤングコーンにさっとソースを付けてひと口。にんにくとアンチョビのしつこさを生クリームが見事に消しつつも旨味だけを残したソースに脱帽。やわらかくとろとろに煮込まれた豚肉はおもわず2切れをふた口でたいらげてしまった。

そして、このお店の醍醐味といえば土鍋で炊かれたご飯。今回は鮎飯である。細切りにされた生姜がしっかりと川魚特有の臭さを消してくれている。はぁ、うまい。思わずため息まじりの言葉が出てしまう。

最後に黒ゴマパウンドケーキの優しい甘さで気力を充塡。

お店を出ると心とリンクしたかのように、ぐずぐずと降り続けていた雨もすっかり上がっていた。

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今回のレシピ

甘唐辛子と昆布和え」

1、甘唐辛子を一口大に切ってさっと素揚げしてから油抜きをする。
2、昆布の佃煮と和えて完成。

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