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大暑の言葉通り、各地で連日最高気温を更新しているらしい。「らしい」というのは、この高気温を体験していないのだ。日頃の不摂生がたたったのか、仕事の忙しさにかまけて自分を甘やかす時間が足りなかったのか帯状疱疹で入院することになってしまった。24時間空調の効いた病室で1週間を過ごし、すっかり暑さの話題に乗り遅れてしまった。

退院してみれば、たしかに驚くほど暑い。5分も歩いていれば汗が噴き出してくる。べたつく汗をぬぐいながら駆け込むように、まごわやさしいへと足を踏み入れた。

 

田町の「まごわやさしい」とは?

今回のコースメニューは、

・法蓮草の胡麻和え

・生のりコロッケ

・冬瓜と鶏の炊き合わせ

・うざく酢

・木の子の豚バラ巻き

・薬味たっぷり麦ご飯

・豆乳ブリュレ


の計7品。

やっぱりこのお店はいつも食べたいと思うときに食べたいと思うものを出してくれる。口の中から一気に“涼”を届けてくれる冬瓜。精がつくと言われる鰻に山芋。暑さの中に涼を届け、夏バテと戦う活力をくれそうなメニューだ。入院のおかげで今年は夏らしいことは何もできそうにないなぁと思いながら料理をつついていたら、「生のりコロッケ」が運ばれてきた。

口に入れると磯の香りがふわりと広がる。あぁ、海にいきたいなぁ。今年は帯状疱疹のおかげで日焼けは厳禁だけど、来年こそは海へ行こう。子どもの頃はよく祖父と一緒に潮干狩りに行ったり家族で海水浴に行ったり、子どもの頃はとにかく家族のイベントには海が付きものだった。海の家で食べた焼きそばに炭酸飲料。仕事一辺倒で日頃の接点が希薄だったせいか、怒られると怖いというイメージしかなかった父がこの日ばかりは楽しく頼もしくかっこいい父に変わった。

そんなことを思い出しながら、さらに食べ進めていくと麦とろご飯が運ばれてきた。母に指示されて山芋をすり鉢で擦ったことを思い出す。毎日毎日、異なるメニューを食卓に並べる母。当たり前のことと思っていたけれども、外で暮らしてみるとこれがいかに難しいかと知る。最近は年を取ってものぐさになったせいか、帰省しても外食に行くばかりで母のつ
くった料理をかれこれ10年くらい食べてない。あの頃のように山芋を僕が擦るからといえば、母は喜んで手料理を振る舞ってくれるだろうか。

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今回のレシピ

生のりコロッケ」

材料

・じゃがいも(ふかしてつぶす)

・チキンコンソメ

・ホワイトペッパー

・パルメザンチーズ

・生のり

・塩

 

上記をまぜて成型したら、小麦粉・卵・パン粉で作った衣をまぶして180度の油で揚げます。

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